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「スプリングバック(すぷりんぐばっく)」とは何か?|誰でもわかるリノベ用語集

誰でもわかるリノベ用語集702

■スプリングバック(すぷりんぐばっく)

「スプリングバック」とは、曲げた材料が元に戻ってしまう現象のことです。

材料を曲げるための方法としてプレス加工や板金加工があります。プレス加工とは工具の間に素材を挟んでから、強い力を加えて曲げる加工のことです。基本的にはプレス機械を使用します。板金加工とは平ら形成した金属の上にプレス機械を使用して変形させる加工のことです。材料費や加工費を安価に抑えられるという特徴があります。

プレス加工や板金加工で素材を曲げた後に圧力を取り除くと、曲げ角度が跳ね返るスプリングバック現象が起きることがあります。紙などの素材の場合には問題ありませんが、金属でスプリングバック現象が起こると形状を維持できないという問題が発生します。

複雑な形状の製品を取り扱っている場合には、完成品の精度に狂いが生じるという問題が起きてしまいます。スプリングバックが発生する原因は圧縮力と引張力との関係にあります。金属を曲げると分子が圧縮されてしまいます。圧縮された分子は、押し広げようとするためにスプリングバックが起きてしまうのです。

ただし、スプリングバックは予測可能です。材質の種類、厚さ、成形までのプロセス、適用される曲げの量を調べると、スプリングバックの有無を予測できるのです。スプリングバックの分析と補正をすれば、加工における制度を高められます。また、加工をする際にスプリングバックを見込んで、曲げる角度を変えるという方法もあります。

(参考:SPATIAL「スプリングバック補正とは?」)