「土間」と聞くと、古い日本家屋を想像するかもしれません。しかし、最近では幅広い用途に使える使い勝手のいい空間として、マンションなどでも土間を取り入れるリノベーションが増えているのです。
そこで今回は「【完全版】土間リノベーション・リフォームのガイド」と題して、次のような順番で徹底的に解説していきます。
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もくじ
1. 土間とは?その文化と現代の土間
古い日本家屋でよく見かける土間は、次のような特徴を備えた空間です。
・室内でありながら土足OKで、屋外と室内の中間的な存在
・炊事場や農機具、漁具のメンテナンススペースとして使われてきた
・来客とのちょっとしたコミュニケーションスペースにもなる
・床材は防水性の高いものが多く用いられてきた
現代の住宅ではこういったDNAを受け継ぎ、自転車やベビーカー、アウトドア用品など屋外で使用するアイテムを収納する場所として、土間を取り入れるケースが増えています。
また、かつてのように、土間がメンテナンススペースとして使われることもあるのです。
<土間について、より詳しく知りたい人はコチラ>
・「土間」とは何か? |誰でもわかるリノベ用語集
・今土間が注目を浴びています
・住まいの打ち合わせの中で出てくる「土間コンクリート」とはなんだろう
2. 土間リノベーションのポイントとメリットデメリット
使い勝手のいい土間ですが、土間リノベーションにはどのようなポイントがあるのでしょうか。注意点やメリット・デメリットについてご紹介していきます。
ポイント・注意点
土間は屋外と屋内の中間にあたる空間であるため、汚れ対策・湿気対策・温度調整を適切に行うことが大切です。
<土間リノベーションのポイント解説はコチラ>
・土間リフォーム。押さえたいポイントとは
・日本伝統の土間文化をマンションでも楽しもう
土間リノベのメリット・デメリット
現代の住宅で新たに土間を導入するとなると、限られた空間の中で土間用のスペースを捻出する必要があります。このことを踏まえ、主なメリット・デメリットを挙げてみましょう。
土間リノベのメリット
・多目的の収納スペースとして使える
・天候に左右されないメンテナンススペースとして使える
・玄関や居室に広がりが生まれる
土間リノベのデメリット
・汚れが目立ちやすい
・湿気がこもりやすく、季節によって温度変化が大きい
・居住空間が狭まる
<さらに詳しい解説はコチラ>
・リフォームでおしゃれな土間のある暮らし。メリットやデメリットは?
・土間のメリットとデメリットは、使い勝手の良い土間を設置して新しい暮らしを手に入れる
3. マンション土間の作り方・間取り・収納
土間は古民家のイメージが強いことから、戸建限定と思う人もいるかもしれませんが、実際にはマンション土間も人気です。ここでは、マンション土間の作り方や間取りなどについて解説していきます。
作り方
土間を作る際、「どこに作るか」「どういった床材を選ぶか」という点が特に重要です。
作る場所によって用途や目的が異なってきますし、選ぶ床材によって部屋の雰囲気やコストが大きく変わってきます。
<すてき&おしゃれな土間の作り方解説はコチラ>
・居心地のよいすてきな土間の作り方とは、3つのポイントを紹介します
・おしゃれな土間の作り方!事例3選
間取り図解説Before After
いざ土間を作る場所を決めようとなっても、一から考えるのはなかなか難しいもの。
そんな時は、実際のリノベ事例における間取り図のBefore Afterを見比べれば、土間のレイアウトや広さの参考になりますよ。
<人気の土間を間取りでチェック>
・リノベーションで土間人気が止まらない!間取り図Before/Afterでトレンドチェック
土間収納
土間を作る目的として多いのが、ベビーカー・自転車・アウトドア用品といった屋外で使うもの専用の収納スペース。こういったかさばるものを収納するには、ある程度の広さが求められます。
使い勝手のいい土間収納を作るためには、広さや動線をしっかり検討する必要があるのです。
また、入口に扉を設けるかというのも重要なポイント。用途や場所に応じて、「扉を設置するか否か」「どのような扉にするのか」を選ぶといいでしょう。
<広さ・アイデア・導線を確認する記事はコチラ>
・土間収納の広さはどれぐらい必要?スペースの上手な使い方
・アイディアで広がる土間収納と間取りの考え方
・土間収納には扉が必要?スライド式ドアや折れ戸がおススメな理由とは。
4. 事例
玄関と隣接している土間が一般的ですが、中にはリビングやバルコニーと連続して設置するといった事例も見られます。
<土間が持つ無限の可能性を感じさせてくれる、リノベ事例>
・【実例】お宅の「土間」拝見します!5選〜リノベーションのその後〜
・参考にしたい!マンションでもできる!リノベで土間空間!間取りと事例写真を公開
画像や図面で見ても、本当の使い勝手はなかなか見えづらいもの。何よりもそこで生活する人の声を聞くのが参考になります。
5. 土間リノベの費用・相場
土間リノベーションを検討する際に気になるのが、どれくらいの費用がかかるのかというところですよね。
土間リノベの費用相場は、おおむね1m2あたり8,600円〜11,400円程度(坪あたり28,380円〜37,620円程度)。
予算に余裕を持って少し多めに見積もるなら、1m2あたり10,000円〜18,000円程度(坪あたり33,000円〜59,400円程度)と考えておけばいいでしょう。
(出典:エクステリアのナコウド「土間コンクリート工事価格の相場は?見積書を理解して費用を抑えよう」)
6. リビング土間
玄関脇以外に土間を設ける場所として人気になっているのが、リビングです。
過ごす時間の長いリビングに土間を設置することで、今までにない柔軟な使い方ができます。
<リビング土間ならではの注意点・費用相場もチェック>
・土間リビング|メリットいっぱい4つの魅力と、費用相場
7. 土間の仕上げ方法
土間はコンクリートで基礎を作り、モルタルで表面を仕上げるというのが一般的。土間コンクリートの仕上げ方法として代表的なものが次の5種類です。
・金鏝(かなごて)仕上げ
コンクリートの表面をなめらかに仕上げる方法。室内の土間でも頻繁に使われます。
・刷毛(はけ)ひき仕上げ
コンクリートの表面を刷毛でなでることで、ザラザラした質感を出す方法。
・洗い出し仕上げ
コンクリートに石や砂利を入れて仕上げることで、個性あるデザインを施す方法。
・スタンプコンクリート仕上げ
専用の型を使って、コンクリート表面に模様をつける方法。
・塗装仕上げ
コンクリートの表面に専用塗料を塗って仕上げる方法。
また、表面に化粧材としてタイルを張るという方法もあります。仕上げ方法ごとに特徴が異なりますので、使う場所や目的に合わせて適したものを選びたいところですね。
<仕上げには注意が必要!美しく仕上げるための解説はコチラ>
・土間コンクリート仕上げの種類と使う場所に適した仕上げ方法
・土間はモルタル仕上げで滑らかに&注意点をチェック
・土間に取り入れたい洗い出しとは?
・土間タイルを取り入れるなら、注意点も大切。特徴を知ってインテリアを楽しもう
8. 土間DIY
左官職人によって仕上げてもらうのが一般的な土間ですが、実はDIYで作ることもできます。ここでは、土間DIYの方法についてまとめた記事をご紹介しましょう。
初心者向けの土間コン素材
DIYの中でも難易度が高いとされる土間コンクリートの打設。初心者がチャレンジするのであれば、「透水性コンクリート」という素材がおすすめです。
通常の土間コンで考慮が必要な「水はけのための勾配」「コンクリートの仕上げ」といったことを考えなくていいので、素人でも扱いやすい素材と言えます。
<土間コンDIYと、初心者向け素材の解説はコチラ>
・DIY難易度<高レベル!>の土間コンDIY。初心者向けの土間コン素材があります
土間コンDIYの手順と壁の塗装DIY
土間コンDIYは難易度が高いからこそ、しっかりと手順を確認した上で取り組みたいところ。専用の道具や材料を揃えた上で、作業時間に余裕を持って取り組むことが大切です。
<土間コンDIYの手順を確認したい場合はコチラ>
・土間コンクリートのDIYに挑戦したい
せっかくモダンな土間空間を作るなら、壁の塗装にもこだわりたいですよね。また、土間の仕上げ方法として専用塗料を使用するのも有効です。
<土間の壁塗装やコンクリート塗装をDIYしたいという人はコチラ>
・土間塗装には体にやさしい自然と量やエマルジョンペイントを選ぼう!
土間タイルのDIY
難しいとされる土間コンDIYの中でも比較的チャレンジしやすいのが、コンクリートの上から土間タイルを張って仕上げる方法です。
<タイル土間の魅力とDIY>
・タイルならDIYしやすい?ひと味違う土間空間の演出
9. 土間のメンテナンス・補修
通常の居住空間とは仕上げ方法が異なる土間は、独自のメンテナンスや補修が必要となります。
お掃除・お手入れ
中でも一番確認しておきたいのが、日々のお掃除やお手入れの方法ではないでしょうか。
土足で入る土間は汚れがつきやすく、定期的なお掃除やお手入れが不可欠です。土間表面の素材によって、メンテナンス方法が異なる場合もあるので注意しましょう。
<土間のお掃除・お手入れ方法について確認したい人はコチラ>
・手軽にできる土間掃除の方法とは、土間掃除の手順も詳しく紹介
・土間の手入れ方法とは?タイル・モルタル・天然石の種類別解説!
補修
土間に用いられるコンクリートやモルタルは、気温や気圧によって膨張・収縮するため、長く使っていると亀裂やひび割れなどのトラブルが発生することもあります。他に、汚れや水によってシミができる場合も。
軽度な亀裂やひび割れ、シミであればDIYで補修することも可能。ただ、傷が深い場合や汚れが落ちない場合には、早めに業者へ相談することも大切です。
<土間の補修について詳しく知りたい人はコチラ>
・土間の補修方法とは?主なトラブルと、おすすめのDIY補修の方法
・土間メンテナンスは補修材でDIYしよう
まとめ
今回は土間リノベーションについて、さまざまな角度からご紹介してきました。伝統的な日本家屋に取り入れられてきた土間は、考え抜かれた「生活の知恵」が詰まった空間と言えます。だからこそ、現代の住宅でもDNAが息づいているのです。
考えている間取りで要望が叶えられない、あるいは課題が解消されないのなら、土間リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。
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